こんにちは、代表の空木マイカです。グリーンジャーニー、フードロスチームでは家庭のコンポストを進めるのと同時に、社会の中でもどのようにすればコンポストの普及を進めていけるのか勉強しているところですが、その中で名古屋造形大学で今年から学食のコンポストを始めたと聞いて、フードロスチームメンバーと、うかい春美名古屋市議と、名古屋市環境局の久田さんと一緒に見に行ってきました!

名古屋造形大学のコンポストは食堂のすぐお隣、外でみんなに見えるところにあります。あえて、隠さずに見えるところに置くことで学生さんたちに関心を持ってもらえるようにしているのですが、特に外国人の先生からの関心が高いそうです。

 

このプロジェクトを手がけているしげんカフェ代表の浅井さんは私が生まれる前から、津島市の環境局の職員としてごみの問題に関わってきて、津島の学校でコンポストしたり、エコパルなごやの段ボールコンポストの講師をしてたり、ソーネ大曽根の段ボールコンポストをプロデュースしたりしているような、とにかく生ゴミ処理のスペシャリスト。何を聞いてもものすごい知識量で答えてくれました!!

実際コンポストって続けられる人は3%くらいなんじゃないかなというお話も。それはみんな失敗して挫折してしまうから…実は私も96.7%の一人です・・。でも一方で、ぬか床つけられる人なら誰でもできますよ!とも。こちらがゴミを処理したいではなく、状態を見て「あ、栄養が足りてないから米ぬか入れよう」とか、育てる気持ちとそのための知識がポイントなんだなと感じました。それから、感覚だけではなく、やはり温度管理やPH値の変化で発酵の状態も左右されるなど、「化学」の知識を持った上での管理が大切というお話もありました。もはや、これ自体が土づくりの農業のよう!

 

コンポストに重要なのはプロの生産者とつながることだとも。プロの有機農家なら、そのできた土を「この土はこの状態だからこっちで使おう」というふうに使いこなせるので、どんどん持ってきてくれていいですよと言ってくれるそうです。

 

他の地域のお話も伺ったのですが、福岡の大木町では生ごみの収集分別というのを自治体でやっていて、全家庭から生ごみを集め、それをメタン発酵させて、出てくる液肥は農家さんが使えたり、近くの畑で堆肥を使ってそこの野菜でカフェしたりうまくまわっているそうです。

 

滋賀県甲賀市(旧水口町)の生ごみ分別収集では、希望する市民にポリバケツを配って、土→生ごみ→土と交互にサンドイッチすることに臭いがでないようにして、週に2回出してもらう形をとっているのだとか。段ボールだと通気性が良いし湿気も吸い取るからコンポストには適している反面、数回使うとダメになってしまう。ポリバケツだと匂いも劣化もないかわり、密閉するので、どうしても水滴が付き、腐敗やハエ発生の原因になってしまうけど、ポリバケツに生ごみと配布する土(たい肥)をサンドイッチにしていくことで、水滴の発生は防げて良い環境が保てるということでした。

 

さらに水口町は、高速道路が走っていて、路肩の草刈りで大量に草が出るので、コンポストセンターに持ち込まれたポリバケツのごみと、少し干した刈った雑草とを混ぜ合わせてたい肥化しているそうです。

 

特に心に残ったのは上勝町のお話。実はゼロウェイストが先にあったのではなくて、合併せず独立するためごみを収集しに行かなくても良い仕組みをとった結果、今の形になったのだそう。住民たちが電動のコンポストを使っているのはなぜなのかが疑問に思っていて聞いてみたら、それもゴミ収集車を走らせなくても良い様にするためだったというのにびっくり納得でした。

 

その後、うかい先生から名古屋市でも昔は小学校でコンポストやっていた学校があるという話もきき、まだ取り入れてないのではなく、続いていなかったんだなということがわかりました。

 

色々お話を聞いて結果、名古屋のスタイルとしては、段ボールコンポストを配布だけでなく回収もしているソーネオオゾネのような場所が増えることが一番なのかなと思いました。ソーネではコンポストでできた土は団地の花壇に使われているんですが、まだ足りないくらいなんだとか。すごくうまく活用できているようです。

 

最後に「リサイクル貧乏」という言葉も印象に残りました。分別をすることで、ゴミが半分に減ったものの、ゴミ回収処理費用と、資源ごみ回収処理費用を比べると、ゴミ処理は1トンあたり4万円に対し、資源ごみは1トン当たり7万~10万円かかるとのこと。リサイクルをする方が、燃やすよりもお金がかかるんですね。

 

民間や市民の力で独自にリサイクルできる仕組みを作ることができたらその分のお金を福祉や教育にまわすことができる。市民が分別して出したものを市が回収するという方法はそろそろそのやり方を変えていかないと・・・との思いから浅井さんは早期退職して、「しげんカフェ」を始められたそうです。市民が持ち込めば、回収費用を減らすことができる上に、しげんカフェに資源ごみを持ち込むとポイントがたまり、併設したカフェでコーヒーが飲めたりするシステムになっています。多い時は年間800トン集まったそう!

 

「リサイクルを市民が独自にやるシステム」とても共感しました。

1分でわかる取材レポまとめました↓

https://www.youtube.com/shorts/tQDh74t2_lo

グリーンジャーニーでは、現在メンバーでいろんなタイプのコンポストを試しています。またそれぞれの比較、ご報告しますね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です